食品工場ナリアちゃんのつぶやき

 私は町のカジュアル蕎麦屋が好きだ。ハンバーガーショップファミリーレストラン、回転寿司やラーメン屋も行くけど、同じチェーン店でも店舗によって個性の出る蕎麦屋は面白い。

 

 限られたスペースで、どれだけ美味しいものが出せるか、効率よく利用してもらえるか、配置や扱う品などが本当によく考え抜かれているなと思う。

 同じ蕎麦でも細麺・太麺、柔らかめ・硬め、出汁は何を使っているか、味付けは、かき揚げの揚がり具合は、器は、カウンターやテーブルは、薬味は、などなど可能性は無限にある。

 

 スタッフの対応も人によっては大切なポイントだと思う。時々寄るターミナル駅中のスタンド蕎麦屋があるのだが、そこの店長さん(多分)が最近中国人になった。キッチンでは他に日本人らしい女子学生風アルバイトと主婦っぽいパートさんに替わっている。

 その、店長さん(多分)の気配り心くばりがとてもほっこりするのだ。常にお客さんが快適に食事出来るよう、中のスタッフさん達が働きやすいよう、動いている。

 そしてセルフの蕎麦が出来上がると「冷やしきつね、ソぉッバァ〜!で、おまちのおかくさまァ〜!おまたスぇました〜!」と独特な中国語なまりで明るく店内お声かけしている。

 

 5・6年前、町の蕎麦屋さんの厨房に外国人のスタッフがいると、正直、え〜和食なのにな、大丈夫なのかな…と思ったりしたものだが、今はもう普通になっているし、上記のお店のように、店の中心人物となって活躍し、美味しいお蕎麦をたくさんのお客さんに提供し続けている人もいるのだ。実際ここのお蕎麦は丁寧でうまい。

 作るメニューが和食であっても、例えば魚の切り身は皮が上、とかゴマは品よく仕上げに少しだけ、とか細かく根気よく伝えれば、やがてそういうものと理解してくれるし、言葉や文化や顔つきがが違っても、あたりまえなのだが、良心はみな同じように持っている。

 

 色々と軌道修正しなければならない事があっても、丁寧に、根気よく、ひとりひとりに敬意を持ってこれからも接していきたい。